10年ぶりに加筆した。10年間、変わってないんだと感じた。
( '04/08/29 記す )
最近は、商業高校で「模擬株式会社」を設立する例が増えています。
これからの商業高校には、
製造業者や他の専門高校とのコラボレーションも含めて、
「総合商社」的な発想も必要になっているのかなぁ、と、感じています。
商品開発。
商品を開発すること。
と言ってしまうとミもフタも無くなるのですが、
その中心となる目的は、校種や学校によって様々に違っています。
そして商業高校の場合、その中心になるものを付け加えて言えば、
「ターゲットのニーズに合ったコンセプトで、『商える品』を開発するという行為」
であると思います。
ターゲットの市場調査、そのニーズの分析、議論、企画の提案、製造時の技術的な問題、
販売上の社会的な問題、広告、実際の販売、そして何よりもコスト、など、
生徒自身が考え、悩み、時には対立しながらも、
一つ一つ問題解決をし作り上げていく、という行為自体が
商業高校による商品開発という取り組みにおいて、大切なことなのだと思います。
実際に有るのかどうか知りませんが、 (裏付けの無い)単純な思い付きや、 時には教諭の出したアイディアだけで商品を作り、 「高校生がやっているから」という話題性だけで どんな商品でも多少価格が高くとも売れてしまう、というのは、 きっかけとしては良いのだろうけれど、何時までもそればかりでは、 それは「商品開発」ではないと思います。 時には、開発側、仕入れ側で意見を交換し合い、 一緒に商品を育てていく位の気持ちが無いと、 真の開発商品は出来ない様に感じています。
でも、 こういう作業って、外部へのアピールという点から見れば、 とても手間がかかる割には派手さが無く他からは判り難いので、 外見の派手さに拘る一部の教諭は、やりたがらないかな。
( '14/11/19 記す )
今や巷には「高校生が開発した商品」というものが溢れていて、 私も10年以上機会が有れば全国の彼方此方を見て回っている (その全てをこのサイトで紹介している訳ではありません)のだけれど、 その経験から、時として陥りがちだと私が感じる幾つかのこと。
こういうことって、外部の人は物凄く敏感に感じるものです。
あ、これをやったのは高校生じゃないな、とか、この売り子、立ってるだけだな、とか。
結局、身内で完結。白けるだけ。
そして商業教育の評判が低下して行くのです。
例えば、
2005年秋に私的に訪問させていただいた
三重県の相可高校の「まごの店」でお聞きした話では、
流石に人件費までは考慮されてはいないが、
生徒自身が、全て、四季折々の旬の食材を吟味して仕入れ、
価格も考慮しながらメニューを決定し、
原価計算などもきちんと行っている。
その後ドラマ化などで話題になった所為で地域の活性化が促進された一方、
世間的に「高校生の」が強調されたことで大変だろうな、とは思っていたが、
2011年春に私的に訪問した時も、
以前よりも増して徹底したけじめがつけられており、流石だと感じた。
まぁ、そうでないと、 卒業後、料理店の経営なんて出来ないのだろうな。 よほど「商業」っぽいぞ。
勿論、高校生である事に妥協せず、
高校生らしいアイディアとホスタビリティに溢れた、素晴らしい「高校生の商品開発」も、
このサイトに紹介出来ていない数多くのものも含めて、全国各地に有ります。
例えば、商品について質問すると、
「よく聞いてくれました!」とばかりに、
自分の思い入れを語ってくれる、そんな商品は、
私も楽しいですし、とても素晴らしいと思います。
(前者では無く)この様なものが、
世間一般に「高校生の商品開発」のイメージとして定着すれば良いな、と思います。