キーワード辞典
「IT」と「ICT」という言葉

登録日 14/05/03   更新日 14/05/03



情報処理

「情報処理」という言葉は、
「既存の情報を加工することによって、より付加価値の高い情報を新たに生み出すこと」として、 1960年、情報処理学会設立時に、Information Processing を直訳して誕生した。 日本の情報処理の促進に関する法律(昭和45年法律第90号)の第2条第1項では、 『「情報処理」とは、電子計算機(計数型のものに限る。)を使用して、情報につき計算、検索その他これらに類する処理を行なうことをいう。』 とされ、商業科の「情報処理」もコンピュータによる処理を前提にしているが、 海外で「Information Processing」と言っても別の意味になり、 この意味としては理解して貰えない。英語では Computing が比較的近い。
詳しくは「情報処理」の項。


IT

「IT(Information Technology:情報技術)」は、
情報を取得、加工、保存、伝送するための科学技術。 特に、電気、電子、磁気、電磁波などの物理現象や法則を応用したコンピュータなどの機械や器具、 および、その内部で動作するコンピュータプログラム(ソフトウェア)を用いて情報を扱う技術のこと。
「I」=「情報」は「Computing」と同じ意味合いで使用されている。

日本では、1998年頃から巷でも使用され始め、 2000年11月のIT基本法(高度情報通信ネットワーク社会形成基本法)、 2001年1月の「e-Japan戦略」策定、「IT政策大綱」の刊行、などで、一般に広まった。 「e-Japan戦略」では、5年以内に世界最先端のIT国家となることを目標とし、 その手段として、高速インターネットを普及させるための技術やインフラ整備を重要視したため、 「IT」は技術そのものを指す意味合いが強くなった。 現在も、経済産業省や商工会など、産業、経済の分野においては、 「ITパスポート試験」など、よく使用されている。


ICT その1 C=通信技術

「ICT(Information and Communication Technology:情報通信技術)」は、 「IT」とほぼ同義として用いられるが、 通信を前提とする諸技術(インターネットなど)という意味合いを含ませる場合や、 ITをコンピュータやデジタル通信などの原理的な側面など情報技術そのもの、 ICTを社会や生活への情報技術の適用や応用、といったニュアンスで区別する傾向もある。 経済産業省が比較的「IT」をよく使用する事と比較して、 「ICT」は総務省が使用する事が多いことと関係する。 国際的には(日本の「IT」とほぼ同義語として)「ICT」が定着していることなどから、 日本でも「ICT」が「IT」に代わる言葉として広まりつつある。

2003年夏、政府のIT戦略本部は「e-Japan」戦略に対し、 「ユビキタスネットワークの形成」など幾つかの指針を新たに追加、 2004年に「e-Japan」を改定し、名称も「u-Japan」と改めた。 また、情報通信におけるコミュニケーションの重要性の明確化を主眼として 「IT」を「ICT」の表現に置き換えると表明した。 総務省が刊行している「情報通信白書」では、 2005年度版から「ICT」の語が使用されている。


ICT その2 C=コミュニケーション

文部科学省では、2012年に、 『「ICT」とは、Information and Communication Technologyの略で、 コンピュータや情報通信ネットワーク(インターネット等)などの情報コミュニケーション技術のこと。』 と再定義している。

なお、2004年設立の情報コミュニケーション学会 (Japan Association for Communication, Information and Society)によると、 情報コミュニケーションとは、 「情報通信ネットワークやコンピュータなどにより高度に情報化された社会におけるコミュニケーション」 とある。


ちなみに、 ICTE (Information and Communication Technology in Education)が設立されたのは2000年12月、 HICEが設立されたのは2000年10月3日、 である。 ICTEの日本語名称は「情報コミュニケーション教育研究会」。 「通信技術」という観点よりは、「人と人とのコミュニケーションの手段」に重きを置いている。




私の思いは、私がこのサイトを始めた時から、変わっていない。

「ICT」という言葉は、 お役人や、ハード・ソフトを売りたい人や、現場の先生、研究者など、色々な立場の人達が、色々な場面で使うから、 イメージとニュアンスだけで聞いているとスーっと通り過ぎてしまう。 各々の人の立場が有るからそれはそれで良いんだけど、
私の立場としてのICT(情報コミュニケーション技術)は、
「Information=情報:発信者から受信者に伝達される一定の意味を持つ実質的な内容」を
「Communication=コミュニケーション:人間(生徒対生徒、教師対生徒、など)が互いに判り易く正確に伝達し理解し合う」ために
「Technology=技術:最適な何らかの媒体を選択しそれを効果的に活用する、技、手段」。
その「何らかの媒体」は、 チョークと黒板でも、ポスターセッションでも、勿論コンピュータやネットワークをビシバシ使ったものでも、 何でも構わないのだが、 各々の媒体が、べきだとか駄目だとか、では無く、
各々の媒体の特性を理解した上で、 現実的な場面に応じて何をどの様に使うと最も効果的か、 さらに効果を高めるにはどうすれば良いか、を客観的に考えること
が、ICTという事ではないかと思っている。
例えば、私は、以前から有るPowerPointも最近話題のpreziも、どちらも素晴らしいツールだと思っているが、 意味も無く動き回るPowerPointのアニメーションと、 意味も無く動き回るpreziでは、同じ程度に意味は無い。





[ 赤い玉の画像 ] 「キーワード辞典」の目次へ

[ 黒板消しとチョーク受けの画像 ]