掲示板やチャットに関する幾つかの想い Pert.2
「コミュニティ」ということ

登録日 03/01/26   更新日 03/02/01

Part.1   Part.2   TopPage

とある老舗のポータルサイトの「ハリーポッターと秘密の部屋」の映画のユーザレビューのコーナーが、 昨年(2002年)末頃から大変興味深い事態になっていて、ちょいちょい見に行っています。 そこでは、それなりの年齢のそれなりの人数の投稿者が、 レビューの対象になっている 「自分の好きな映画」を酷評されることを極端に嫌い、 「自分の好きな映画」を認めないものは人間として欠陥が有る様な言い回しで相手を否定し、 ヒステリックに攻撃して来ます(注1)。 元々「レビュー」では、 酷評派、擁護派、共に白熱するのは多少は起きる事でどっちもどっちなのですが、 今回は、擁護派が異常なほどに盛り上がって(?)います。 彼らにとって、 「自分の好きなもの」が同じである事が、或いは、同じ話題に乗っている事が、 仲間であり、その部分でのみお互いに人間として認め合っているのかしらん、 とまで感じたりします。

そもそも、「あること」に対して日本中の全ての人が同じ感想を持つ方が不気味(注2)ですし、 「ファンクラブの掲示板」ではなく「レビュー」なのですから、 良かった、悪かった、を、率直に「批評」して構わないのですが、 彼らの投稿を読んでいると、

  1. 自分とは反対の批評を、「自分への否定」としか受け取れず、すぐに感情的になり、キレる。
  2. 一人一人がみんな考え方が違って、でも、それはお互いに「否定」しあうのではなくて、 お互いの考え方の違いを理解し合った上で「批評」しあう、ということが、出来ない。
という感じで、何だか、とても排他的な、さびしい世界だなぁ...と感じます。 (オマエはそれが出来るのか?と言われると困るのですが...)


「”ハリポタ”大嫌い」という掲示板が別の場所にあるのですが、 実は、この掲示板では、名前と発端に反して、大嫌いな人だけではなく大好きな人も相当数参加していて、 お互いに「好き」「嫌い」の意見を出し合い、 真面目に議論していたりします。 同じ所に有る「”ハリポタ”大好き」の掲示板が、 参加者各自の「思い入れの強さ」に終始している(それはそれで構いませんが)ことが多いことと比較すると、 とても興味深いです(”大好き”掲示板では、内容について疑問を投げかけると「ケチをつけられた」と袋叩きに会う)。 思うに、”大嫌い”の掲示板に集まる人たちは、「大好きな人」も「大嫌いな人」も、 「その映画」をもっと知ろうとする相手としてお互いに仲間であり人間なのでしょうね。 そして、「その映画」を知ることで、相手のこと、そして自分自身のことを、さらに知ることが出来る人なのでしょう。

「掲示板」って、場合によっては、自分と同じ想いや考え方の人間ばかりが大勢集まっている訳で、 その世界の中に長い間どっぷりと浸かり雰囲気に流されていると、いつの間にか、 その掲示板の世界が常識、それを否定するものは非常識、と思えてしまうことも有り得ます。 常に、この辺りのことを考えていないと、とっても危ない様な気がします...


(注1)
「攻撃」はバカバカしいのも含めて幾つも有るのですが、 最も興味を引いたのは、 「”ハリポタ”に感動しない人は、ファンタジーが理解出来ない心の貧しい人間である」 「”ハリポタ”にワクワクしない人は、子供の純真な心を持っていない人間である」 というもので、相当数の投稿者が表現を変えながら発言していました。
そんな事を言われたら、 スタンダードなファンタジーと言われている 「指輪物語」や「はてしない物語」や「ナルニア国物語」や「ゲド戦記」や...は大好きだけど 「ハリーポッター」はちょっと... という人は当惑してしまうと思うのですが、 この様な投稿者にとっては、 「ハリーポッター」→「大人気ファンタジー」→「ワクワク、感動するのは純真な子供の心を持っている人」 という短絡的な公式が出来上がってしまっていて、 「自分はワクワクしている(無意識には、ワクワクしたがっている、或いはワクワクしなきゃと思っている)」→ 「自分は純真な心を持っている」 という解を導き出すことで 自己満足 し、マスコミの情報操作による群集心理により、この心を増幅させているのでしょうね。 そして、他人から自分の満足の根拠自体を批判されることで、その「満足」が満たされなくなると、 反動として、前述の様な排他的で押し付けがましい発言につながるのでしょう。 いずれにしても、さびしい、そして今は「ハリーポッター」ですが、 それが別の単語に置き換わった時を考えると、ちょっと怖い、発言だと感じています...

ちなみに私は興味本位で「ハリーポッター」の原作4作と映画2作を見ていますが、 原作は、「ファンタジー」というよりは「ホラー仕立ての学園小説」であり、 映画は、原作に対するリフレクションビデオ、 或いは子役中心のアイドル映画だなぁ、と、思っております。 個人的には、とりたててどうとも(そんなに騒ぎ立てるほど素晴らしいとも)思わないし、一過性のものだろうけれど、 マーケティング的には大成功しているし、あっそ〜良かったね〜、というスタンスです。

(注2)
あぁ、でも、国語の受験勉強にも、そういう面って有りますよね...。 「こう解釈するのが正解です!」「そう思うのは不正解です!」みたいなのが...


(2003/01/26記す  2003/02/01加筆)



[ 黒板消しとチョーク受けの画像 ]